青森県平川市に鎮座する観光にも最適な神社「猿賀神社」

古典によれば田道命は｢仁徳天皇五十五年勅命を受けて北夷の反乱を平定の為兵を進めたが、戦利あらず、伊寺の水門で戦死なさる。後に大蛇の姿となって暴夷を平定した｣とある。土人大いにおそれて鹿角郡猿賀野に祀って産土神となす。その後、欽明天皇二十八年に大洪水あり。この時、田道命の神霊、白馬にまたがり漂木を舟として流れにしたがい、当地に移遷し給う、当地住民神霊を迎え奉って古木（鍋木）の洞穴に祀る」と､伝えらている｡

桓武天皇の御代に再び暴夷を平定することになり、坂上田村麻呂将軍が兵を進め苦戦となった際、田道命の霊感を受けて大勝した。よって将軍は延暦十二年現在の地に祠を祀り､その趣を天皇に奏上した処､勅命により大同二年社殿を造営、奥州猿賀山深砂大権現として勧請したと伝えられている。以来猿賀の深砂宮（神蛇宮）と崇められ御神徳四方に遍く、地方唯一の霊場と仰がれるに至った。かつては国司、探題、の崇敬篤く、藩政時代に入り藩主津軽為信公により、祈願所と定められ社殿の改修造営、また社領の寄進などしばしばであった。明治四年太政官政令にて権現号を廃して猿賀神社と改称し、明治六年郷社に、更に明治十三年県社に昇格、戦後は社格が廃せられたが、昭和三十四年神社本庁別表神社に加列せられる。崇敬者は県内外に及び眼の守護神とする特殊信仰並びに、辰年、巳年生まれの守護神、邪気祓の神として広く崇敬されている。